1999 WM-EX900
WM-EX900は、自動反転機能を備えた再生専用Walkmanである。
役に立ったら、支援できます。 アーカイブを支援
1999年になると、20年以上にわたってポータブルオーディオを支えてきた構造が崩れ始めていた。カセット、コンパクトディスク、MiniDiscは依然として存在していたが、Sonyは初めて物理メディアに依存しないシステムを提示する。音楽はファイルとして存在できるようになった。
Memory Stick Walkmanの登場はその変化を象徴していた。ディスクやテープではなく、半導体メモリとコンピュータを介した転送によって音楽を扱う仕組みだった。しかし、この移行は開かれたものではなかった。Sonyは独自のフォーマット、ソフトウェア、著作権保護技術によって体験全体をコントロールしようとしていた。デジタルオーディオは単なる再生機器の問題ではなくなり、コンピュータやファイル管理と結びついていく。
1999年を特徴づけるのはデジタル化そのものだけではない。その進め方にある。Sonyはファイルベースの時代に踏み込んだが、それを自らの枠組みの中で構築しようとしていた。ポータブルオーディオの未来は、もはやハードウェアのフォーマット競争ではなく、音楽の流通と管理を誰が定義するのかという競争へと変わり始めていた。