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2000年のパーソナルオーディオ

2000年になると、Sonyはもはやデジタルオーディオを試している段階ではなく、それを一つのシステムとして成立させようとしていた。初期のMemory Stick Walkmanに続き、より小型で内蔵メモリを持つモデルが登場し、日常的な使用を意識した製品へと広がっていく。

しかし、この新しい方向性には別の複雑さが伴っていた。音楽はもはや単一の機器の中で完結するものではなく、コンピュータやソフトウェアを介して管理されるものとなっていく。Sonyはその仕組みを自社の技術で構築し、ATRAC形式やOpenMGソフトウェアを用いて音楽データを管理・保護していた。音楽の転送は単純な操作ではなく、一定のルールに従う必要があるプロセスへと変わっていた。

2000年を特徴づけるのはデジタル化そのものではなく、その実装の仕方にある。Sonyは物理メディアからの移行には成功していたが、その代わりに新たな制約を伴うシステムを導入していた。ポータブルオーディオの未来がデジタルであることは明確になっていたが、それはまだシンプルなものではなかった。