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2000

D-EJ615

D-EJ615

D-EJ615は、そのファミリーの中ではより装備の整った版であり、同じコンパクトな2000年前後のCDウォークマン基盤を保ちながら、より完成度の高い使い勝手を与えられたモデルのように見える。マニュアル群からは、リモコンや電源まわりの付属構成が比較的手厚いことがうかがえ、別の機械というより、よく理解されたプラットフォームにより整った周辺体験を与えた版として捉えるほうが自然である。

その関係性こそが本機の性格を決めている。D-EJ615は、基本構造を作り直すのではなく、見せ方や同梱体験を少し持ち上げることで上位感を出していた時期に属する。

D-EJ615は、そのファミリーの中で最も整った版のように見える。中核の機械が根本的に違っていたからではなく、周辺の体験がより完成していたように見えるからだ。マニュアルは、リモコン運用や電源まわりの同梱内容がより充実していたことを示しており、共有ハードウェアが当たり前になっていた時代にはそれが大きな意味を持った。

その点で本機は非常にわかりやすい。ソニーがポータブルCD後期に、新しい筐体や新しい再生概念なしでもどう階層差を作れたかを示している。パッケージと同梱された操作体験だけで、プレーヤーを一段上に置くことができた。

D-EJ615は、ラインが完全に成熟した段階に属する。機械の再発明ではなく、所有体験の洗練によって差を表現している。

D-EJ615