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1997

D-E504

D-E504

D-E504は、D-E500に非常に近い構成を保ちながら、初期CDウォークマン期の設計言語を受け継いだ軽い派生モデルであり、先行するDiscmanよりも落ち着いた現代的な印象を持つ。基本ハードウェアはすでに固まっていたため、違いは大きな再設計よりも市場での位置づけや付属品、全体の見せ方に表れていたように見える。

その意味で非常に典型的な存在である。D-E504は、ソニーがポータブルCDの基本形を作り直す必要がなくなり、成熟したひとつの考え方を少しずつ姿を変えて展開していた段階に属する。

D-E504の段階では、ソニーはもはやポータブルCDを作り直していたわけではない。D-E500のプラットフォームを土台にしながら、すでに成熟していた構成を崩さず、地域差やパッケージ差へと少しずつ変形していくことが主眼になっていた。

その意味でこの機種はアーカイブ上の指標として有用である。中核ハードウェアがすでに落ち着き、差別化が機能の大改変ではなく、仕上げや付属品、市場での置かれ方によって行われていた段階を示している。

言い換えれば、D-E504は典型的であるがゆえに興味深い。ポータブルCDが安定した製品ファミリーになっていた時期に属する。

D-E504