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1998

D-E554

D-E554

D-E554は、D-E505に近い位置にあり、後期1990年代のコンパクトな基本構成を保ちながら、より整った仕上がりによって下位機種より一段上に置かれたモデルと考えられる。日常用のポータブル機であることに変わりはないが、リモコンを中心にした操作や外部接続の扱いを見ると、当時の音楽環境全体の中でどう使われるかまで少し意識された作りに見える。

そのわずかな上積みが重要である。D-E554は、露骨なフラッグシップにしなくても少し上質に感じられるプレーヤーを作れた層に属している。

D-E554は、ソニーがひとつ上の仕上がりを与えつつも、毎回それをフラッグシップ級の飛躍として見せる必要はなくなっていた後期1990年代の層に位置している。D-E505に近いが、周辺の作り込みは同じ考え方をもう少し整えて見せたものに見える。

そうした差は当時かなり重要だった。買い手はもはやポータブルCDが使い物になるかどうかを判断していたのではなく、持ち運び、操作し、接続して使う体験がどれほど洗練されているかを見ていた。

その意味でD-E554はラインの中上位に属する。単一の派手な機能よりも、全体のまとまりが少し上質に感じられることによって特徴づけられるモデルである。

D-E554